以下のものが含まれます。

  • モブ男性教師×教育実習生シライ(YouTube版より
  • 無理やり合意させた上での性行為
  • 小学校時代の性的虐待のほのめかし

実習の裏側

「……っは」
 男の陰茎は勃起を持続しているものの、一向に射精する気配を見せない。
 眉をひそめたシライは陰茎を口から吐き出し、萎えさせないために手でしごきながら息継ぎをした。酸素と一緒に正気が戻ってこないうちに再び口に含めて、かつて男から教わった通りに喉の奥まで迎え入れる。嘔吐反射を抑え込むために唾を飲み込む。それで喉を締められているはずだった。
「下手になったか?」
「……っ」
 男の失望を含んだ声を聞いて、シライは体を竦ませた。
「卒業してから練習しなかったのか? だめじゃないか。継続は力なりって教えたろ。たとえ才能がなくても、続けていさえすればできるようになるんだ」
「うむぅ……ッ」
「あぁ、いい。言い訳はいいから。ほら頑張れ。できるだろ」
 頭を押さえてくる男の手は、記憶にあるものよりも小さい。
 当然だ。小学生のときと違い、大学生になった今のシライの背丈は男を優に越えているのだ。椅子に座った男に対して、昔のように床に膝をつくだけでは高さが合わず、背中を丸めなくては舐められない。男の性欲の対象が小学生なのだとしたら、今の自分では興奮しきれないということも考えられる。
 シライは部屋に誰か来やしないか恐々としながら、男の足の間で体を縮こめ、早く達してほしい一心で頭を前後させた。誰か来たら、学び舎で淫行に及んでいるところなんかを見られたら、実習どころか今後の社会生活が終わるのだ。
「お、よくなったぞ。シライは昔から飲み込みが早かったもんなぁ。ちょっと忘れてただけだよな。あんなに練習したもんな」
「んっ……んじゅっ……」
 褒められたことで気が緩みそうになる自分を叱咤して、シライはなおも男の陰茎を吸い立てる。頭を押さえていた手が撫でる動きに変わったことで、安心しそうになる。構ってもらえてうれしいとか、存在を認められたとか、この行為にそんなことを思うのは間違っている。あの頃は家に帰りたくなくて、毎日居残って勉強していて、それが悪かったのだ。
 他のクラスの担任の、人気の先生だった。教え方が分かりやすくて、優しくて、シライもうちのクラスならいいのにと言われて、舞い上がってしまった。分かっていない自分がいけなかったのだ。
「よしよし、もう少しだ」
「ん……ふぅっ……ん、んく……じゅっ……」
「終わったら、ちゃーんと指導案の修正見てやるからな」
「うん、ん」
 そうだった。学級担任に見てもらおうとして、もっと適任がいると男を紹介されたのだ。体のいい厄介払い――なんせ教師は誰もが忙しいので――かと思いながら訪れた準備室で、出迎えた男の顔を見たシライは凍りついた。顔だけが思い出せなかった、声だけは思考に隙間が生じるたびに聞こえていた男が、あの時と変わらず教師としてそこにいたのだ。
 逃げるなんてできなかった。シライの母校の小学校は少子化による統廃合でなくなっていて、統合先の学校に頼み込んで受け入れてもらった形だ。シライが逃げ出したことで、今後教職を目指す後輩に迷惑が掛かっては困る。
「シライは優秀ないい子だから、すぐにできるんだもんなぁ。教師になろうとしてるって知って、先生うれしかったぞ。……お、出る、出るぞ、飲め、飲めっ」
「んぶっ……う……ッ」
 椅子から浮き上がるようにして押し付けられた男の股間。逃げられないように押さえられた頭と、喉の奥に叩きつけられる熱い飛沫。シライは反射的に吐き出しそうになるのを堪えて飲み込んで、大きく息を吐いた。鼻に抜ける青臭さと、飲み込んだはずなのに戻って来る苦みに耐えながら、自分の唾液まみれの男の竿を手でしごきつつ、亀頭の先端に唇を付けて残滓を吸い上げる。
「おお……よく覚えていたな。えらいぞ」
 褒められながら頭を撫でられる。心臓がどきどきして、吐き気がする。
 口を離したシライは、男の顔を見上げた。
 射精した直後のどうでもよさそうな目は、シライの方を向かない。昔はもっとべたべたとシライに触れてきていた。
「指導案見とくから、後で取りに来なさい」
 男は卓上にあったティッシュで陰茎をぬぐうと、ズボンのファスナーを引き上げて、シライに興味をなくしたように机に向き直る。そのことに、シライはホッとすればいいのか落胆すればいいのか分からなかった。


   ◇


 男の精液が詰まったペットボトルを持ったシライは、体育館近くのトイレに向かっていた。クラブ活動は終わっている時間だから、人に会う可能性が一番低い気がしたのだ。秘匿性の高さを考えるのならば自宅まで持ち帰って処分するのがいいのだろうが、絶対に嫌だった。
 きみのことを思って溜めていたんだ――と言われて見せられたとき、シライは何を見せられたのか分からなかった。全体的に茶色い、一部は黒や緑に変色した中身が詰まったペットボトル。はしゃいだ様子の男にヒントを出されて、答えを思いついたのと、吐き気を催したのは同時だった。
 中身をトイレに流して、中をゆすいで、生徒の手に触れなさそうなゴミ箱に捨てる。それで終わりだ。こだわることはない。準備室に戻って赤の入った指導案を受け取って、きれいさっぱり縁切り。元から卒業した時点で切れているのだ。再会したのは不運だったと思って諦めるしかない。三週間の辛抱だ。
 外に出れば風があるかと思ったが、廊下と変わらない蒸し暑さが続いている。
 校舎よりも先に建て替えられた体育館は、校舎が建て替えられた今、一周回って校内で一番古い建物となっている。個室はどれも今どきらしく洋式に変わっていたが、それでも生徒たちには人気がないらしい。今のシライにとってはおあつらえ向きの環境だった。
 目立たないために電気は消したままやるべきか。それとも見咎められた場合に備えて堂々とやるべきか。
 念のため周囲の様子を窺ってから、シライはトイレの中に入った。

投稿日:2024年8月23日
公式YouTubeのショート動画がすごくよかったんですよ。
トイレ内でもうひとレイプもよし、出てきたところで忘れ物したクロノに会うのもよし。何か書きたくなったとき用の後段です。