雑記帳

日記とか備忘録とかそういうの

#旅とか 三泊四日で山形旅行に行きました。二泊三日で考えていたのですが、飛行機の発着時間の都合三泊しないとろくに寝られないと思い贅沢な選択をしました。当日朝に航空会社から飛行機の手配がつかないから遅れる旨のメールがきていて、欠航もありえるのかと思っていたので行けてよかったです。
例のごとく長いので畳みます。

■1/4日目

航空会社はアイベックスエアラインズ。恥ずかしながら初めて知った航空会社で、ピーチの搭乗時間が半端だったことから探し直して知りました。ピーチよりか高いけど全日空よりは当然安く(片道9000円)伊丹空港発の方が楽なので探し直してよかったです。仙台行きは70人乗りの小さい機体なので荷物入れが小さく、一般的な飛行機なら問題なく入るリュックの収納が無理矢理になりました。

仙台空港から仙台駅まで電車で出て、夜ご飯を仙台駅横のS-PAL仙台にあるイタリコ仙台駅店で仙台味噌のミートソースを食べました。味は普通でした。出てくるのを待つ間に山形行きの交通情報を調べたら乗れるか乗れないか微妙な時間に直通の電車があり、乗りたい気持ちに引きずられて食べている間落ち着かなかったのもあるかもしれません。今回酔い止めがうまい具合に効いたので一度も車酔いしなかったのですが、バスに苦手意識があるので、電車に乗れてラッキーと思いました。各停だけど夜なせいで景色が全く見えないのは残念でした。

山形駅を降りてすぐに「紅花ふうき豆」という知らない豆の電光看板があり、見ず知らずの地方に来た!とテンションが上がりました。山形駅はとてもきれいな駅で、たぶん改装したのでしょうね。改装後の駅ってどこの都市も似たようなデザインな気がします。
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泊まったのは山形駅前にあるホテルニュー最上屋です。私が見るからに髪の長い女性だからか何も言わなくてもフロントの方がドライヤーを貸してくださり、ホスピタリティを感じました。設備に古めかしさはあるけど不足はないし掃除されてるし、近隣の喫煙客室からちょっとタバコの臭いがするなーと思ったけど忘れられる程度だしで、寝て朝ごはん食べて出るには十分いいホテルでした。バストイレが30cmほど高い位置にあり、よっこらしょと上り下りしなきゃいけないところがおもしろかったです。ホテルなんだから乾くだろうという見込みで洗ったポリエステル100%の服が乾かなくて生乾きで着るハメになったのもおもしろかったです。

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■2/4日目

朝食会場は旅館の宴会場チックな場所で、他のお客さんと一緒にお膳のご飯を食べます。私はご飯を食べるタイミングを逃しがちなので宿泊時は朝ごはんが付けられるところを選びます。そうしないと一日食べられないことがある。最上屋さん、駅前で朝ごはん付きで5780円でした。安い!しかもご飯がおいしい!献立はおひつ入りの白ご飯、味噌汁、鮭の塩焼き、ぜんまいと厚揚げの炊いたん、ポテトサラダ、目玉焼き、青菜のおひたし、梅干しと漬物です。小松菜に似たこりこりした青菜のおひたしが特においしかったです。Twitterでサトルさんが「くきたち菜」ではないかと教えてくださいました。山くらげほどではない、でも小松菜よりしっかりした歯ごたえのいい菜っ葉です。また食べたいです。
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朝の気温が10℃程度だったもので、後から来た男性客に寒いですねと話しかけたら、前日まで山登りをしていて出身も長野だから寒くないとのご回答を得ました。あわや会話終了かと思いましたが、先方はお話しが嫌いなわけじゃないらしく上手いこといって、山登りを始めたきっかけ等を伺うことができました。「グレートトラバース」という番組に感銘を受けたそうです。

□山寺
ホテルを後にして今回の旅のメインである立石寺を目指します。山寺を再現したゲーム が出たときに存在を知り、自分のPCのだと動かなかったことで訪問を決めたお寺です。このタイミングで山形駅のコインロッカーにリュックを入れておけばよかったのに、電車の時間がギリギリだったもので背負ったまま山寺を登ることになりました。体力がないのに負荷を上げないでほしい。
仁王門の向かって左側についている龍がかわいいです。
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今改めて写真を見るとギョロ目だと思っていたのは眉毛のぐるぐるですね。
道中は後生車という円盤が回せるようになった卒塔婆のような木柱がたくさんありました。
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早くに亡くなった子供の供養のためで回すたびに成仏が早まるそうで、目に入る度に回して南無阿弥陀仏を唱えていたのですが、弥陀洞に着くとめちゃくちゃ大量にあったので諦めました。
弥陀洞。人の背丈の何倍もある大きな岩に卒塔婆が彫られている
弥陀洞を過ぎたあたりから視界が開けて木立の中を行く感じがなくなり、木立の中を行きたかった私は「なんだか期待していたのと違うなぁ」と思い始めました。懸け造りのお寺を見るぞ!という気持ちで行ったら良かったんだと思う。ゲームの中に入れるという期待を抱きすぎた。奥の院まで行ったのですが、開けているから日光がばしばし当たり眩しくてよく見えない。サングラスしててもまだ眩しい。五大堂からの景色はきれいでしたが、思っていたのと違うという気持ちが大きくなりすぎて、いまいち乗り切れない訪問になりました。写真で見るときれい!
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これ書くために調べたところ私がさらっと見た大仏殿には「むかさり絵馬」という死後婚の絵馬が奉納されているそうです。そっちのラインで興味持って行ったら近畿の慣習と全然違って興味深く見て回れたと思います。後生車も珍しいものですし。新鮮さを失いたくないと思って調べすぎないようにしていたのですが、かえってもったいないことをしました。

□山形市内
思ったより早く山形駅に戻れたので、とても読み応えのある着物コラムを書いていらっしゃる結城屋さんに行ってみることにしました。あわよくば自分へのお土産も兼ねて羽織紐を買おうという算段です。商店街のイベントがやっていて、地域の名産らしい食べ物の屋台が色々出ていました。お昼ごはんがまだだったので、時間があったら食べたいなぁと思いながら、結城屋さんがある七日町御殿堰へ。堀の部分でお茶席などが出ていて楽しげだなぁと思ったら、まさかの結城屋さんのお茶席だそうで、店内から茶菓子をお盆に載せた方がいそいそと外へ……。忙しそうだと思ったものの、また後日というわけにはいきません。買うものはあるしと思い切って話しかけたら、女将さんが構ってくださいました。会計を済ませる際に「サイトを拝見して……」と同人誌即売会でしか言わないことを言ったら喜んでくださり、ご店主とお茶席で話せると勧めてくださったのですが、人気のお席でなかなかの列、山形城も見たいしバスの時間もあるしで辞退しました。
後日お礼のメールをしたらご店主がお返事をくださり、サイトの記事通りの文体で嬉しかったです。山形は大阪よりずっと寒いので温かい足袋など違う商品があったのかなぁと大阪に帰ってから思いました。

山形城は東大手門から入ってこれは期待大だぞ……と思ってたらこれといって建物がありませんでした。そんなに時間をかけるつもりもなかったのですが、まさか広場状態だとは。本丸跡が通り抜けられるようになっていたので通ったらトンボが山ほど飛んでいてよかったです。最上義光の像がかっこよかったし、近場でお祭りなせいか人が多くて、方言ぽい響きの会話がなされていたのもよかったです。

駅に戻るつもりがお堀と駅の位置関係を間違えたらしく全然違う方向へ。さまよい歩いているところにコセキというお菓子屋さんを発見。「つのまきあります」の文字につのまきが何か分からないまま入店しました。つのまきというのはゆべしのようなモチモチした食べ物で、コセキさんのつのまきはくるみとごまが入っていておいしかったです。駅までの道を商店街の案内パンフをくださった上で教えていただけて、「お昼ごはんまだでしたらおいしいお店もたくさんあるので」と言ってくださったのに時間が不安でご飯屋さんに行けなかったのが心残りです。

いざ駅に着いてみると時間があるようなないような微妙な時間でした。地産地消系のイベントがやっていたので玉こんにゃくを食べました。庄内交通の建物に行ってICOCAが使えるかを聞いて、使えると分かったので鶴岡行きのバスを待ちます。庄内交通のサイトにはチェリカとSuicaが使えると書いているものの他の交通系ICカードの使用可否が不明だったので、チェリカを買ってチャージしようと思ってたので、使えてよかったです。

□羽黒山前日泊
鶴岡エスモール経由で羽黒山へ。翌日が雨なことが分かっていたので登りたかったのですが、夜ご飯の時間もあるし日没になると10℃を切るので諦めて宿坊・神林勝金へ。
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宿の方のご対応が温かくて、お風呂もゆっくり入れて、ご飯もたっぷり食べられました。献立は精進料理でおひつ入りの白ご飯、味噌汁、きのこいっぱいの小鍋、ぜんまいと厚揚げとそら豆の炊いたん、胡麻豆腐、ぜんまいのおひたし、野菜の天ぷら、たけのこと南瓜の炊いたん、だし、漬物、蒸し栗です。おかずは私の感覚だと味が濃くて、でも夜中に喉が渇くということはなく、不思議な感じがしました。わらびと厚揚げの炊いたんが一番好きでした。
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朝ご飯には「もって菊」というものの甘酢漬けや、丸なすのようでナスではない丸っぽい何かを四つ切にしてじゃりじゃりする甘い味噌をかけた食べ物など、知らないものがありました。あれは何だったんだろう。
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外観からもっと古めかしい内装を想像していたのですが、床も張り替えられていてオバケなどは出そうにない様子。空調も個室ごとにあるしウォシュレットもある。カメムシはたくさんいましたが刺激しなければ臭くないので気にならず、これ見よがしに立ち上がったり、廊下のWi-Fiルーターのアンテナの上で電波を受信したりなどする奇妙な姿を眺めて楽しめました。

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■3/4日目

□羽黒山
宿坊の方に朗らかに送り出していただき、勢いリュックを預けそびれて荷物を全部持った状態で羽黒山へ。朝早くだからか授与所は閉まっていました。
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五重塔は事前に調べた通り工事中ですが、それを差し引いても問題ないほど羽黒山は雰囲気がいい!比べるものじゃないですが、私は山寺よりこっちの方が好きでおすすめです。でもしんどいです。ずーっと階段。リュックあるからとかそういうんじゃない。建物が見えるたびに「頂上だ!」と思っては全然違うということを繰り返しました。
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この距離を石段敷設し続けた人狂気じみてる。降りてくる人に「まだありますか?」と聞いて「大きな坂はあと一回です、がんばってください」と励ましてもらいました。帰りはバスに乗るつもりだったんですが、トイレが掃除中で待っている間に行ってしまい(バスの時間が差し迫ってると知らなかった)諦めて徒歩で降りました。帰り道に出会った人に「もう少しです、本当にもう少しです!」と言ったり、もっと降りたところで英語で頂上は遠いのかと聞かれて「ファー」と返したりしました。小学生の群れやバスで来たのだろう一団に遭遇して立て続けにこんにちはを言い続けた時は少し恥ずかしかったです。
羽黒山、一枚目の写真のように門から一回下ってそれから登るんですけど、帰りはそこをもう一回上がることになるんですね。めっっちゃしんどかったです。ずっと下りで帰りはまだ楽だなと思っていたところに現れるそそり立つ壁ですよ。でも羽黒山の一回草深いところに降りて小さい社が複数並んでる光景が異界の入り口っぽくて好きです。
羽黒山は基本一本道なのですが途中で道が外れる箇所があり、鳥居が見えていたのがよかったです。もちろん近くまで行ってみたのですが、鳥居の向こうは行って戻れるのかよく分からないので行きませんでした。あと松尾芭蕉の足跡が追える道もありました。
五重塔の工事のための設備を周囲の木にクッション材を巻いてワイヤーで支えているのが山の中だからこそできる準備で新鮮でした。
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ネット上の参考観光ルートでは玉川寺に寄るのをおすすめされてたのですが、逆戻りすることになるから鶴岡市街に戻ることに決めてやめました。

□鶴岡市内
思ったより早く羽黒山を登って降りられたので藤沢周平記念館へ行くことにしました。道草を食うことを見込んで時間にかなりの余裕を見ていたのですが、今回は余る傾向にあります。

記念館に行って分かったのは私は藤沢周平の人柄に興味がないということです。湯田温泉で暇だから入った中原中也記念館が登場人物が現代の常識から外れていておもしろかったから…。藤沢周平の字が可愛いということが分かったのは収穫でした。直筆原稿からフレーズを切り取った栞なんかが売ってたらよかったのにな。

その後荘内神社に行って、大宝館に行って、お腹が空いたので受付の方に近隣のご飯屋さんを聞きました。刀剣乱舞とのコラボをやっている(館内にも信濃藤四郎のパネルがある)(私がとうらぶ止めてから追加されたキャラなので知らない)(とうらぶ目当てで来る層と年代性別がかぶってるから写真撮れますと言ってくださるのが気まずかった)とのことで、施設から一番近い「肉菜バル NiGoo」へ行くことに。せっかくだから注文した藤四郎プレートはスペアリブなのに脂っぽさがなく、白ご飯に合う洋風照り焼きという感じの味でおいしかったです。
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まだまだ時間が余るのでnigooから荘内神社を挟んで逆側にある致道博物館へ。雨だからと紐のショートブーツを履いていたので脱ぎ履きが面倒くさい…
刀剣の展示で山伏国広作の刀を見て、山伏の兄弟だ!と思いました。とうらぶハマってた当時でも刀そのものにはそこまで興味を持てなかったので、刀がいっぱいあったという感想を抱きながら次の館へ。
民具は圧巻の量です!特に漁に使う道具だけのコーナーがすごい。山形県と近県に限定してるのかな。見たことのない形状のお弁当箱や背負子のような「ばんどり」という物などがありました。
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万博記念公園にある国立民族学博物館に何度か行ったのですが、色々ありすぎて流し見になっちゃうんですよね。いい機会でした。綿花が取れないから麻やぜんまいで織った着物などもあり、近畿とは違う寒い国の文化を感じました。移築されている民家も全然違うんです。

そうこうしているうちに時間が程良くなったので、湯田川温泉にある藤沢周平ゆかりの宿である九兵衛旅館に向かいました。蔵王温泉と銀山温泉と迷ったんですよね。でも次に山形行くのっていつか分からないし、銀山温泉に行ったって絶対ネットで見るようなフォトジェニックな写真は撮れないって分かってたから藤沢周平ゆかりの宿を選びました。温泉地の観光をしようと思ってたけど部屋でだらだらしたい欲求に負けてさっさと旅館へチェックイン。改装なさっているんでしょう、きれいで明るい宿です。
一人旅歓迎の宿ということでお布団はすでに敷かれた状態で、食事も個室の食事処、貸切風呂は予約不要だから開いているタイミングでひょいと入れて、気楽でよかったです。
男女入れ替え式の大浴場の片方は金魚のいる水槽を眺められるようになっていて、最初に入ったときは「金魚がおるからなんやねん」と思ったのですが、いざ金魚のいない方の大浴場に入ると「金魚おらんと暇やな……」と思いました。入った時間が朝4時で坪庭もろくに見えない状態で、目が暇だったので、金魚はいる方がいいです。金魚大事。
ご飯はだだちゃ豆の和風ムースとアラという魚のお刺身、鶏の豊年揚げ、翌朝の塩納豆が特においしかったです。朝ご飯は胃が重くて半分ほどしか食べられなかったので惜しいことをしました…。味噌汁はどこの地方に行っても味噌汁なのですが地域で結構味が違うのがおもしろいです。山形もちょっと塩からいけど赤味噌の辛さのは違ってまだ飲める。

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■4/4日目

路線バスでも仙台行きの高速バスに間に合うのですが、万一道が混んだら大阪に帰れなくなっちゃうので、そして湯田川温泉発着半額キャンペーン中だったので、タクシーを使いました。道はガラガラでした。
せっかくだから朝のバスだとルートにない庄内観光物産館でお土産を見てから仙台へ。仙台でも少しだけ時間があったので呪術廻戦0に出てくる商店街のモデル「ハピナ名掛丁商店街」を見て、電車に乗って空港へ。せっかくだから牛タンも食べておこうと思い仙台空港内にある牛タンレストラン陣中で昼食。今は大阪でも仙台牛タンのお店があるのですが、薄いのしか知らなかった頃ならびっくりしただろうな。味は大阪で食べるのと変わりませんでした。
そして噂の喜久福を買って大阪へ帰りました。

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■総括

楽しかったです!バスに酔わなかったのが一番大きい!山寺、羽黒山、致道博物館それぞれに工事中で見られない建物があったのですが、食べ物は知らないような物を食べられてよかったし、バスや電車の乗車時間が長いおかげでかなりのんびりした旅だったので疲れも残りませんでした。三食食べられたし睡眠もしっかり取れたし、外食続きで慣れない贅沢に胃が張った夜がある以外は健康優良旅行でした。畳む
 
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